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小麦や米は本当に悪なのか


結論:小麦や米=悪ではありません


「小麦や米は太る」「腸に悪い」といったイメージを耳にすることはありませんか?

糖質制限ダイエットの影響もあり、「小麦や米=悪」と考える人も増えています。

 

しかし研究を調べてみると、小麦や米そのものが悪いという根拠は見つかりませんでした。

悪影響が指摘されるのは、白米や精製小麦など「精製度の高い炭水化物」を大量に摂った場合です。

一方で、玄米や全粒粉などの未精製の穀物はむしろ健康に有益だとする報告が多く存在します【1】。


なぜ小麦や米は「悪」とされるのか?


・血糖値を上げやすい:白米や白パンはGI値が高く、血糖値を急上昇させやすい

 

・グルテン問題:小麦に含まれるグルテンが一部の人に悪影響を与える

 

・リーキーガット説:腸の不調の原因とされることがある

 

・糖質制限の影響:「糖質=太る」というイメージが広まった

 

このような要素が組み合わさり、「主食=悪」という印象が作られてきたと考えられます。


科学的な事実① 血糖値の影響


確かに、白米や精製小麦は血糖値を上げやすい食品です。
しかし、ハーバード大学公衆衛生学部の大規模調査では、全粒穀物の摂取は糖尿病や心血管疾患のリスクを下げると報告されています【1】。

つまり「すべての炭水化物が悪い」のではなく、精製か未精製かや、量の問題だといえます。

 



科学的な事実② グルテンは全員に有害か?


**セリアック病(人口の約1%)**や、非セリアック性グルテン過敏症の人は、小麦を摂取すると消化器症状や炎症を引き起こすことがあります。

しかし、それ以外の大多数の人にとって、グルテンは特に問題のない成分です。

 

「グルテンフリー=健康的」というイメージは流行の影響が大きく、科学的には全員に当てはまる話ではありません。


科学的な事実③ リーキーガットとの関係


「小麦や米が腸に穴をあける」と表現されることがありますが、医学的に確立された証拠はありません。

腸管透過性の研究は進んでいるものの、小麦や米が直接リーキーガットの原因になるというデータはまだ不十分です。


科学的な事実④ 糖質制限との関わり


糖質制限で体重が落ちるのは事実ですが、これは「糖質=悪」だからではなく、単純に摂取カロリーが減ることによる効果が大きいとされています。

また、長期的には「糖質をゼロにする」よりも「質と量をコントロールする」方が健康的で続けやすいと報告されています【2】。



E.Sとしての見解


パーソナルトレーニングE.Sでも「ダイエット中はお米やパンは食べない方がいいですか?」という質問をよくいただきます。

当ジムとしては、小麦や米を悪と決めつけていきなり禁止するべきではないと考えます。

今まで主食として食べてきたものを急に悪物と捉え、一切食べずに生活するということは現実的ではありません。

 

ダイエットなどで食事制限をする場合には

・精製されたもの(白米・食パンなど)は控えたり量を減らしたりする

 

・玄米・全粒粉・オートミールなどを積極的に取り入れる

 

・適量はしっかり摂取することを意識して、バランスの取れた食事にする

 

こうした工夫をすることで、小麦やお米はむしろ健康や体づくりの味方になると考えています。

参考文献


1.ハーバード大学 公衆衛生学部(2016年, 米国)

 全粒穀物の摂取量が多い人ほど、2型糖尿病や心血管疾患のリスクが低下することを報告。

 [原典]Harvard T.H. Chan School of Public Health. “The Nutrition Source: Carbohydrates.”

 

2.アメリカスポーツ医学会(ACSM, 2021年版ガイドライン)

 糖質制限は短期的な体重減少に有効だが、長期的には食事全体のバランスと持続可能性が重要と記載。

 [原典]American College of Sports Medicine. ACSM's Guidelines for Exercise Testing and Prescription, 11th ed. 2021.