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水をたくさん飲むと痩せる?


結論:水を飲むだけで痩せるわけではありません


「水をたくさん飲めば痩せる」と耳にしたことはありませんか?

確かに一部の研究では代謝や食欲への影響が示されていますが、「水だけで痩せる」という明確な根拠は現時点ではありません。

 

ただし、水分摂取は体調管理や健康維持に欠かせません。

特にジュースやアルコールを水に置き換えることや、脱水を防ぐことはダイエットやトレーニングのサポートになります【1】【2】【3】。


なぜ「水を飲めば痩せる」と言われるのか?


 

・水を飲むとお腹が膨れて食欲が抑えられる

 

・冷たい水を飲むと代謝が上がるイメージがある

 

・有名人が「1日2L飲んで痩せた」と紹介した影響

 

こうした理由から「水=痩せる」という考えが広まったと考えられます。


科学的に分かっている効果


1.代謝アップ効果

 冷たい水を飲むと、体が体温を戻すためにわずかにエネルギーを使います。

 研究では、500mlの水を飲むことで約20〜30分の間に24kcal程度の消費が確認されています【1】。

 

2.食欲抑制効果

 食前に水を飲むことで食事量が減り、体重管理に役立つ可能性があります。

 アメリカの研究では、食前に水を飲む人の方が12週間で約2kg多く体重が減ったと報告されています【2】。

 

3.飲料の置き換え効果

 ジュースやアルコールを水に置き換えると、総摂取カロリーが減少します。

 WHOや厚労省も「甘い飲料より水を推奨」としています【3】。

 

 ただし、これらは「補助的な効果」に過ぎず、水そのものがダイエットの主役になるわけではありません。



誤解されやすい点


・痩せる根拠はまだ不十分:現状の研究では「水を多く飲めば痩せる」と断言できるデータはない

 

・飲みすぎは逆効果:大量摂取による低ナトリウム血症(水中毒)に注意

 健康的な人でも2L以上を短時間で一気に飲むのは避けるべきです。


日常で意識すべき水分摂取のポイント


・厚労省の推奨は「飲料として1.2〜1.5L」、食事分を含めて合計2L前後

 

・運動や発汗が多い人は汗をかいた分を分を追加で飲む

 

・「2リットル飲めば痩せる」ではなく「健康維持の目安」と考えるのが適切



E.Sとしての見解


E.Sでも「水はたくさん飲んだ方がいいですか?」という質問をいただきます。

ジムとしては、水は飲んだほうが良いが、無理に大量摂取する必要はないとお伝えしています。

 

・水を飲むことでジュースやアルコールを減らせる

 

・食前のコップ1杯が食欲コントロールにつながる

 

・運動中のパフォーマンス維持や回復にも不可欠

 

この辺を意識してもらい、

無理に「何リットルも飲む」必要はなく、生活の中で自然に2L前後を意識することが結果的に健康につながると考えています。

参考文献


1.Boschmann & Steiniger(ドイツ・ベルリン自由大学, 2003年)

 500mlの水摂取でエネルギー消費が約30%増加したことを報告。短時間での代謝上昇を確認。

 

2.Dennisら(アメリカ・バージニア工科大学, 2010年)

 中高年肥満者を対象としたRCTで、食前に水を摂取した群は12週間で約2kg多く体重減少。

 

3.WHO / 厚生労働省(2020年版 食事摂取基準)

 水分摂取の推奨量を提示。清涼飲料ではなく水やお茶を勧めている。