「夜遅くに食べると太る」って本当?
「夜遅くに食べると太るから気をつけなきゃ」
そんなふうに言われた経験がある方は多いのではないでしょうか。
SNSや健康情報でもよく見かけるこの話ですが、
実際のところ、科学的にはどうなのでしょうか?
今回は、信頼できる研究論文をもとに、夜食と体重の関係について検証していきます。
夜食は本当に太るのか?研究データから見てみる
■ 食べる時間と体重の関係性
スペイン・ムルシア大学のGaraulet博士らによる研究(2013年)では、
午後3時以前に昼食を摂った人の方が、同じカロリーでもダイエット効果が高かったという結果が報告されています。
つまり、「食べる時間」が体重に影響を与える可能性があるということです。
一方で、アメリカの研究では、
摂取カロリーが同じであれば、食事の時間による体重差は見られなかったという報告もあります。
このように、「夜に食べる=必ず太る」とは言えませんが、
夜遅い食事が体重コントロールに影響を与える可能性はあると考えられています。
ホルモンや代謝への影響も見逃せません
夜遅くの食事は、体内時計(概日リズム)やホルモンにも影響を及ぼすとされています。
・夜間はインスリン感受性が低下し、血糖値が下がりにくくなる
・グレリン(食欲ホルモン)の分泌が乱れやすくなる
夜食によって睡眠の質が低下し、それが間接的に体重増加につながる可能性もあります。
結論:「夜遅くに食べると太る」は一概には言えない
科学的には、「夜遅くの食事が体重増加に関係する可能性がある」という研究は存在しますが、
食べる時間そのものよりも、1日の摂取カロリーや食事内容、睡眠・生活リズムなどの“全体のバランス”の方が重要だと考えられています。
つまり、夜遅くに食べたからといって必ず太るわけではありません。
ただし、習慣的に高カロリーな夜食を摂っていたり、睡眠の質が落ちたりすることで、間接的に太りやすい状態になる可能性はあります。
パーソナルトレーニングE.Sとしての見解
当ジムでは、
「仕事の都合で夕食が21時以降になる」という方も多く通われています。
そのような方に対して「18時以降の食事は控えましょう」とアドバイスすることはありません。
以下のようなアドバイスを行うことが多いです。
・夜は消化の良いものを選び、脂質や量は控えめにすること
・夕食前に間食を入れて、夜のドカ食いを防ぐこと
・仕事が終わって、ホッとした時の食事が一番おいしく感じると思うので、過敏になり過ぎないこと。
そこで我慢してストレスが溜まってしまうと、結局どこかで反動が来る。
夜遅い時間の食事が必ずしも悪いわけではありません。
「何を・どれだけ・どのように」食べるかを意識し、ちゃんと継続していけるかの方が重要です。
無理に生活スタイルを変えるのではなく、
ご自身の生活に合わせた形で工夫していくことが、健康的な体づくりにつながります。
📚 参考文献
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Garaulet M, et al. “Timing of food intake predicts weight loss effectiveness.” Int J Obes (Lond). 2013.
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Almoosawi S, et al. “Chronotype and cardiometabolic health.” Adv Nutr. 2019.
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Zarrinpar A, et al. “Time-restricted feeding improves metabolic parameters in mice.” Cell Metab. 2014.
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St-Onge MP, et al. “Sleep and obesity: what are the links?” Nutr Rev. 2016.
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