歩数はあくまでも目安
1日1万歩はあくまで目安のひとつであり、6,000〜8,000歩程度でも十分に健康効果は得られることが、近年の研究で分かっています。
大切なのは「どれだけ歩いたか」よりも「どのくらい体を動かす時間を確保できたか」です。
その「どのくらい体を動かす時間を確保できたか」が可視化できるものとして歩数を使用することは非常に有効です。
そもそも「1日1万歩」の由来
この数字のルーツは1960年代、日本で発売された“万歩計”という商品名にあります。
当時は科学的根拠よりも「覚えやすい目標」として広まったものでした。
その後、健康ブームとともに「1万歩=理想的な運動量」として定着しましたが、研究的な裏付けは後から検討されるようになりました。
最新研究でわかっている「最適な歩数」
・ハーバード大学の研究(2020年)では、1日7,500歩程度で死亡リスクが最大に低下することが報告されています【1】。
W・HOの指針では、週150〜300分の中強度運動(約7,000〜8,000歩に相当)で十分な健康効果が得られるとされています【2】。
・高齢者の場合は6,000歩前後でも健康維持に効果的とされています。
つまり「1万歩を超えれば超えるほど良い」というわけではなく、7,000〜8,000歩あたりで効果は頭打ち(プラトー)になる傾向があります。
歩数の確保が難しい場合は「こまめに動く」ことが重要
一日の総歩数が少なくても、こまめに体を動かす習慣を持つことで十分に健康効果が得られます。
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長時間座っていると血流や代謝が低下
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1時間に1〜2分立ち上がるだけでも血糖コントロールが改善するという研究も【3】
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「まとめて歩く」よりも、「1日の中で少しずつ動く」ことの方が代謝や循環には有効です
つまり、“歩けない日でも、動かない時間を減らす”ことが重要です。
必ずしも「たくさん歩けば良い」とは限らない
・過度な歩行は膝や腰に負担がかかる
・睡眠不足やストレスを我慢してまで歩数を稼ぐのは逆効果
健康や体型改善は「続けられる範囲」を積み重ねていくことが前提です。
E.Sとしての見解
パーソナルトレーニングE.Sでは、「1日1万歩」という数字にとらわれすぎず、**“動く習慣をつくる”**ことを大切にしています。
さらに、歩くだけでなく筋トレを組み合わせる理由も明確です。
・筋トレによって普段使わない大きな筋肉を使うことで、基礎代謝が上がり、歩かなくても消費しやすい身体になる
・加齢による筋力低下を防ぐことで、将来的に歩くこと自体が楽になる
・筋トレとウォーキングを併用することで、脂肪燃焼・姿勢改善・体温維持など相乗効果が得られる
歩いたり動いたりすることは健康の入口。
ウォーキングや筋トレに限らず、日常で少しでも動く習慣を作るもことも大切です。
参考文献
1.Harvard T.H. Chan School of Public Health(2020年)
約16,000人の女性を対象にした研究で、1日7,500歩で死亡リスクが最大に低下すると報告。
2.世界保健機関(WHO)「身体活動に関するガイドライン」(2020年)
週150〜300分の中強度運動=1日約7,000〜8,000歩に相当。
3.Ekelund U. et al., BMJ, 2019年
座りすぎと死亡率の関連を分析。短時間でも立つ・歩くことの積み重ねが健康維持に重要と結論。
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